ピラティスとヨガは、どちらもマットの上で呼吸に合わせて体を動かす運動ですが、目指すところが違います。ピラティスは体幹を鍛えて姿勢や体の使い方を整える運動、ヨガは呼吸とポーズで心と体のバランスを整える運動です。どちらも激しく跳んだり走ったりしないので、運動が久しぶりの人でも始めやすい点は共通しています。
消費カロリーの目安になる「メッツ」は、公的なメッツ表でピラティスが2.8、ヨガが2.3でした。この記事では、起源・目的・呼吸・動きの違いと消費カロリーの比べ方、目的別の選び方、マット・マシン・ウォールといったピラティスの種類までまとめています。スタジオに通うなら、形式ごとの料金の目安も参考にしてください。まずは比較表で全体の違いをつかんでから、気になるところを読み進めてみましょう。
ピラティスとヨガの違いを一覧で比較

まずは主な違いを表にまとめました。いちばん大きな違いは「何のために行うか」で、呼吸法や動き方もその目的に合わせて変わっています。
| 目的 | ピラティス:体幹を鍛え、姿勢と体の使い方を整える ヨガ:呼吸とポーズで心と体のバランスを整える |
|---|---|
| 起源 | ピラティス:20世紀初めのドイツ。リハビリから広まった ヨガ:古代インドの心身の修行法 |
| 呼吸 | ピラティス:お腹を締めたままの胸式呼吸 ヨガ:お腹をふくらませる腹式呼吸が中心 |
| 動き | ピラティス:呼吸に合わせて動き続ける ヨガ:1つのポーズを保つ |
| 使う道具 | ピラティス:厚めのマット・リフォーマーなどのマシン ヨガ:薄く滑りにくいヨガマット |
| メッツ(全般) | ピラティス:2.8 ヨガ:2.3 |
| 向いている人 | ピラティス:姿勢・体幹・お腹まわりを整えたい人 ヨガ:リラックス・柔軟性・ストレス解消を求める人 |
どちらも体の柔軟性と筋力の両方に働きかけるので、重なる部分も多くあります。違いを知ったうえで、自分が今いちばん変えたいことに近いほうを選ぶと、続けやすくなるでしょう。
ピラティスとヨガの5つの違い
起源:リハビリとして生まれたピラティス、修行法として生まれたヨガ
ピラティスは、20世紀の初めにドイツ出身のジョセフ・ピラティスが考えたエクササイズです。第一次世界大戦のころ、負傷した兵士のリハビリに取り入れられたことが広まるきっかけになりました。体を正しく動かすための運動として生まれたため、今もリハビリや姿勢の改善に使われています。
ヨガは古代インドで生まれた、心と体を整えるための修行法です。ポーズ(アーサナ)・呼吸法・瞑想を組み合わせ、心を落ち着かせることも大切な目的です。今はハタヨガ・ヴィンヤサヨガ・ホットヨガなど、さまざまな流派やスタイルがあります。
目的:体幹と姿勢のピラティス、心と体のバランスのヨガ
ピラティスは、お腹や背中の奥にあるインナーマッスルを使い、背骨や骨盤を正しい位置で支えられる体をつくることを目指します。猫背や反り腰が気になる人、体の使い方のくせを直したい人に合う考え方です。
ヨガは、ポーズで体を伸ばしながら呼吸に意識を向け、心と体の緊張をほぐしていきます。リラックスや柔軟性、ストレスの解消に重きを置くのがヨガの特徴です。
呼吸法:ピラティスは胸式、ヨガは腹式が中心
ピラティスでは、お腹を薄く引き締めたまま、肋骨を横と後ろに広げるように息を吸う胸式呼吸を使います。お腹に力を入れ続けたまま呼吸するので、呼吸そのものが体幹のトレーニングになります。
ヨガでは、お腹をふくらませたりへこませたりする腹式呼吸が中心です。ゆっくり深く呼吸することで、気持ちを落ち着けてリラックスしやすくなるとされています。流派によっては、胸式やほかの呼吸法を使うこともあります。
動き方:動き続けるピラティス、ポーズを保つヨガ
ピラティスは、呼吸に合わせて同じ動きを何回か繰り返しながら、次の動きへ移るのが基本です。背骨を1つずつ動かすような、細かくコントロールされた動きが多いのが特徴です。
ヨガは、1つのポーズを何呼吸か保ち、体の伸びや重心に意識を向けます。ヴィンヤサヨガのように流れるようにポーズをつなぐスタイルもありますが、基本は「ポーズで止まる時間」があると考えてよいでしょう。
マット・器具:厚めのマットやマシンのピラティス、薄いマットのヨガ
ピラティスは背骨を床につけて転がる動きがあるため、厚みのあるマットを使うのが一般的です。スタジオでは、ばねの力で体を支えたり負荷をかけたりするリフォーマーなどのマシンを使うのも特徴です。
ヨガは立ちポーズで踏ん張ることが多いので、薄くて滑りにくいヨガマットが向いています。体が硬い人は、ブロックやベルトでポーズを補うと無理がありません。
ピラティスとヨガの共通点
違いが目立つ2つですが、共通するところもあります。どちらも呼吸と動きを合わせ、自分の体に意識を向けながら行うのが基本です。
- 大きな器具が無くても、マット1枚あれば自宅でできる
- 激しく跳んだり走ったりせず、関節への負担が小さい
- 筋力と柔軟性の両方を使う
- 年齢や運動経験を問わず始めやすい
運動から離れていた人が「体を動かす習慣」をつくる入口としては、どちらも向いています。迷ったら、両方を体験してから決めても遅くありません。
ピラティスとヨガはどっちが痩せる?消費カロリーで比べる
運動の強さは「メッツ」という単位で表します。安静に座っている状態を1として、その何倍のエネルギーを使うかを示した数字です。『身体活動のメッツ(METs)表』(改訂第2版・成人版)の値で、体重50kgの人が1時間行ったときの消費カロリーを計算しました。
| ピラティス(全般) | 2.8メッツ(約140kcal) |
|---|---|
| ピラティス(伝統的なマット) | 1.8メッツ(約90kcal) |
| ヨガ(全般) | 2.3メッツ(約115kcal) |
| ヨガ(ヴィンヤサ) | 2.7メッツ(約135kcal) |
| ホットヨガ | 3.0メッツ(約150kcal) |
| パワーヨガ | 4.0メッツ(約200kcal) |
| ストレッチ(ゆったり) | 2.3メッツ(約115kcal) |
計算はメッツ表に書かれた「メッツ×体重(kg)×時間」の式で、安静にしていても使うエネルギーを含んだ値です。全般で比べるとピラティスのほうが少し多いものの、1時間で25kcalほどの差で、大きな開きではありません。
同じヨガでも、ホットヨガは3.0、パワーヨガは4.0とピラティスを上回ります。反対に、伝統的なマットのピラティスは1.8と低めです。どちらが痩せるかは、ピラティスかヨガかより、選ぶクラスの強さで変わると考えましょう。
どちらも1回で大きくカロリーを使う運動ではないので、体重を落としたいなら食事の見直しと組み合わせることが大切です。ピラティスは姿勢を整えて見た目の印象を変える面から、ヨガは食べすぎにつながるストレスを和らげる面から役立ちます。
ピラティスとヨガはどっちが向いている?目的別の選び方
どちらを選ぶかは、今いちばん解決したい悩みから考えるのが近道です。目的ごとの選び方を表にしました。
| 姿勢(猫背・反り腰)を直したい | ピラティス |
|---|---|
| お腹まわりを引き締めたい | ピラティス |
| 腰や肩に負担の少ない体の使い方を覚えたい | ピラティス |
| ストレスをほぐしてリラックスしたい | ヨガ |
| 体をやわらかくしたい | ヨガ |
| 汗をたくさんかきたい | ホットヨガ |
| 両方の良さを取り入れたい | ピラティスとヨガの併用 |
ピラティスが向いている人
- 猫背・反り腰など姿勢のくせを直したい人
- お腹まわりを引き締めたい人
- 腰や肩に負担の少ない体の使い方を身につけたい人
- 体が硬く、ポーズを取るのが不安な人
ピラティスは柔軟性が無くても始められます。特にマシンピラティスはばねが動きを支えてくれるので、体が硬い人や運動が苦手な人でも正しい動きを取りやすいのが利点です。
ヨガが向いている人
- 仕事や家事の疲れ・ストレスをほぐしたい人
- 体を伸ばして柔軟性を高めたい人
- 呼吸を整えて寝つきをよくしたい人
- 汗をたくさんかきたい人(ホットヨガ)
ヨガはゆっくり呼吸する時間そのものが心を落ち着かせるので、運動というより気分転換やセルフケアとして続けたい人に向いています。
迷ったら併用もおすすめ
ピラティスで体幹と姿勢を整え、ヨガで体をほぐして心を落ち着かせる、という組み合わせも人気です。ピラティスで身につけた体の支え方は、ヨガのポーズを安定させるのにも役立ちます。費用が気になるなら、スタジオにはピラティスで通い、ヨガは自宅で動画を見ながら行う方法もおすすめです。
ピラティスの種類|マット・マシン・ウォールの違い
ひと口にピラティスといっても、使う道具によって大きく3つに分かれます。始め方と費用が変わるので、自分に合う種類を先に知っておきましょう。
マットピラティス
マットの上で、自分の体の重さだけを使って行うピラティスです。道具が要らないので自宅でもでき、スタジオのクラスもマシンより安いことが多くなっています。ただし体の支えが無い分、正しいフォームを取るのはマシンより難しいと感じる人もいます。
マシンピラティス
リフォーマーと呼ばれる、ばねのついたベッドのようなマシンを使うピラティスです。ばねが動きを助けたり、負荷を加えたりします。初心者でも正しい動きを覚えやすく、筋力に合わせて負荷を変えられるので、ピラティスのおすすめスタジオ12選で比べた12社のうち8社が、マシンを使うグループやサーキットのレッスンを開いています。
ウォールピラティス
壁を支えにして行うピラティスです。壁に手や足をつけることで体を安定させられるので、自宅でマットピラティスより姿勢を保ちやすいのが特徴です。器具を買わずに始められる手軽さがあります。
ホットヨガ・ジムとピラティスの違い
ホットヨガとピラティスの違い
ホットヨガは、室温と湿度を高くしたスタジオで行うヨガです。たくさん汗をかけるのが魅力で、メッツ表の値も3.0とピラティス(全般)の2.8に近くなっています。汗をかいてすっきりしたいならホットヨガ、姿勢や体幹を整えたいならピラティスと考えると選びやすいでしょう。
ジムの筋トレとピラティスの違い
ジムの筋トレは、ダンベルやマシンで重い負荷をかけ、大きな筋肉を太く強くするのが主な目的です。ピラティスは体の奥の筋肉を使い、体を正しく支えて動かす力をつけることを目指します。筋肉を大きくしたいならジム、しなやかで姿勢のよい体を目指すならピラティスが向いています。両方を組み合わせるのも1つの方法です。
ピラティススタジオの料金の目安
ピラティスをスタジオで習うなら、レッスンの形式で料金が大きく変わります。ピラティスのおすすめスタジオ12選で比べた12社の、月4回通うときの月額を形式ごとにまとめました(2026年の各社の公式サイトの情報。入会金などは別)。
| マシンのグループ | 11,220〜17,050円(pilates K・the SILK・CLUB PILATES・Pilates KASANE・Repilates・BDC PILATES) |
|---|---|
| マシンのサーキット(予約不要) | 9,680円(URBAN CLASSIC PILATES) |
| セミパーソナル(最大3名) | 19,800円(Pilates mee) |
| マンツーマン | 28,800〜40,000円(ルルト・La pilates・ピラティススタジオDEP) |
マシンのグループレッスンは月1万円台が中心で、マンツーマンになると月3万円前後からと高くなります。初めてなら、体験レッスンが安いマシンのグループかマットのクラスから試すと、費用を抑えながら自分に合うかを確かめられます。
ピラティスを始めるならこの2社
ヨガとの違いを確かめるには、実際にレッスンを受けてみるのがいちばんです。マットとマシンを両方試せるzen place pilatesと、体験が0円のpilates Kなら、少ない負担で始められます。12社すべての比較はピラティスのおすすめスタジオ12選を見てください。
zen place pilates|マットとマシンを両方試せる
♥こんな人におすすめ
- マットとマシンの違いを体験して比べてから決めたい人
- 男性や家族と一緒に始めたい人
| レッスンの形式 | マットのグループ・マシン(リフォーマー)のグループ・プライベート |
|---|---|
| 月4回の月額 | 15,400円(マシングループ月4回) |
| 体験レッスン | マシングループ 3,000円(通常5,000円)・マットグループ 1,000円 |
| 店舗数 | 130店舗以上(全国) |
| 男性の利用 | 可 |
全国に130以上のスタジオを持つピラティスのチェーンです。マットのグループ、リフォーマーを使うマシンのグループ、マンツーマンのプライベートまで、1つのブランドの中で形式を選べるのが特徴です。
マットのグループは体験の負担が小さいので、まずマットで基本の呼吸と動きを覚え、物足りなければマシンに進むといった始め方もできます。男性も参加でき、所属外のスタジオも使えるので、職場と自宅の近くを使い分けたい人にも向いています。
pilates K|体験0円で始めやすい女性専用スタジオ
♥こんな人におすすめ
- お金をかけずにマシンピラティスを1回試したい女性
- 買い物や仕事帰りに寄れるスタジオを探している人
| レッスンの形式 | マシン(リフォーマー)のグループ・60分 |
|---|---|
| 月4回の月額 | 11,220〜13,420円(店舗により異なる) |
| 体験レッスン | 0円(60分) |
| 店舗数 | 170店舗以上(全国) |
| 男性の利用 | 不可(女性専用) |
リフォーマーを全店に入れた女性専用のマシンピラティススタジオで、店舗は全国に170以上です。体験レッスンが0円で、レンタルウェアも用意されているので、ヨガとの違いを手ぶらで確かめに行けます。
レッスンは60分のグループ制で、音楽に合わせて体を動かすボディメイク寄りのプログラムが中心です。ショッピングモールなど商業施設の中の店舗が多く、通う場所を決めやすいのも続けやすさにつながります。
ピラティスとヨガの違いについてよくある質問

ピラティスとヨガはどっちがきついですか?
感じ方には個人差があります。ピラティスはお腹を締めたまま動き続けるので、体幹がきつく感じやすいでしょう。ヨガは同じポーズを保つ時間があり、体が硬い人は伸ばす動きをきつく感じることがあります。メッツ表ではパワーヨガが4.0と、ピラティス(全般)の2.8より強い運動です。
ピラティスとヨガは併用してもいいですか?
併用して問題ありません。体幹を整えるピラティスと、体をほぐすヨガは補い合う関係にあります。たとえば週1回スタジオでピラティスに通い、ほかの日に自宅で短いヨガをする、といった続け方もできます。
体が硬くてもピラティスやヨガはできますか?
どちらもできます。ピラティスは柔軟性より体の支え方を重視するので、体が硬い人でも始めやすいでしょう。ヨガも、ブロックやベルトを使えば無理なくポーズを取れます。
男性でもピラティスやヨガに通えますか?
通えます。ただし女性専用のスタジオもあるので、申し込む前に確かめましょう。ピラティスのおすすめスタジオ12選で比べた12社では、zen place pilates・CLUB PILATES・URBAN CLASSIC PILATES など6社が男性も利用できます。
ピラティスとストレッチは何が違いますか?
ストレッチは筋肉を伸ばして体をやわらかくすることが目的です。ピラティスは体幹を使いながら体を正しく動かす練習で、伸ばすだけでなく筋肉を使って支える動きが入ります。メッツ表では、ゆったりしたストレッチが2.3、ピラティス(全般)が2.8です。
まとめ|ピラティスとヨガの違いを知って目的で選ぼう

ピラティスは体幹を鍛えて姿勢や体の使い方を整える運動、ヨガは呼吸とポーズで心と体を整える運動です。姿勢やお腹まわりを変えたいならピラティス、リラックスや柔軟性を求めるならヨガが向いています。
消費カロリーは全般で比べるとピラティスが少し多いものの、差は小さく、選ぶクラスの強さで変わります。迷ったら両方を体験してみましょう。スタジオでピラティスを始めるなら、形式と通いやすさで比べたピラティスのおすすめスタジオ12選から選べます。



